前の記事でゲーム上で凄く仲良くなった人のことを、触り程度で書いてみた。
その話の続きを一気に完結まで書いてみよう。
今から確か12年前くらいの話かな?(この記事を書いたのは2019年9月16日)だから2007年くらいかのう・・・。
たま~に思い出してしまう何気ないショートストーリーです。
ちなみにこの世界は・・・
以前、私はネトゲ廃人でして。
リネージュってゲームだったんだけど、正味、7年くらい引退復帰を繰り返しながら遊んでた。
ゲーム上で色々な出会いがあり、リアルで飯を食いにいったりする人もいたり、今でもLINEとかで話す人もいる。
結局、ネットゲームとは言え、リアルの素性が簡単に知られないからこそ、その人の本質がでやすいと私は思ってる。
このリネージュというゲームの思い出は沢山あって、マジでリアルを生きるのに役に立ったことも多々あるのだけどね。
とりあえず、あるグループに入ってからの小さなお話。
リネージュではプレイヤー同士が集まった集団のことを『クラン』と呼んでいた。
当時は5種類の職業(クラス)があり、私はその時はエルフというクラスをメインにやっていた。
周りからは『Qさん』『Q』と呼ばれていた。
所属していたクランが無くなって、フリーとなった私は別のクランに加入することになる。
何故、そのクランに入ったかと言えば、クラン名が何か切なく儚い感じがしたからだ。
私が入った時には、ゲームによくログインしてくる人も5、6名程度あり、割と固定されていた。
よくログインが被ったプレイヤーの中に、その女性はいた。
ジュンちゃんというプレイヤーなのだが、同じエルフクラスであり、当時は私とレベルも同じ位であった。
私やジュンちゃんとログイン時間帯が合うプレイヤーの中に、KANAさんという女性プレイヤーにMOGという男性プレイヤーがいた。
あとは数名いるのだが、このショートストーリーには関わらないので割愛w
当時はホラ話と言われていたこと
ちなみに昨今ではゲーム内で知り合って結婚したり、恋人同士になるという話は、割と当たり前。
だが、当時は都市伝説のような風潮があった。
加えてリネージュを遊んでいるプレイヤーなんて、絶対に男ばかりであり、女と称しているのはネカマと言って疑わない気配もあった。
しかし、違うのだ。
私にリネージュのイロハを教えてくれた師匠のような人物は、長いリネージュの中で数名の女性プレイヤーと出逢い男女の関係を持ったということを自慢げに話していた。
更に知り合いのプレイヤーはゲーム内で仲良くなった女性と結婚し、子供が出来ていたということもある。
私がQの時に仲良くなったジェイという男プレイヤーは、後にピナという女性プレイヤーと、やはり出逢いセックスをして童貞を喪失した(ぶw)という話もあるのだ。
なので、決してゲーム内の関係がリアルの関係に発展するというのはおかしいことではないのだ。
更にリネージュの女性プレイヤーは、割と顔がいい子も多かった。
何故、そんなことが分かるのかと言えば、今は廃れたMixiでクラン員やクランマスターがコミュニティを作って、OFF会などの情報発信をしていたからだ。
一応、ゲーム内では顔が広かった私は、結構、色々と情報が入ってきていたから、よく分かっているのだ。
話を元に戻そう。
私、ジュンちゃん、KANAさん、MOGはIN時間が合うことから、色々とチャットをする仲であった。
特にKANAさんは高レベルプレイヤーである。
(ちなみにリネージュ内において、高レベルプレイヤーは一応、下のレベルのプレイヤーのマウントを取りやすい常識があった。)
MOGはレベルこそ高くはなかったが古参プレイヤーだったので、ゲーム内の仕様について色々なことを知っていた。
しかし、レベル差などはあまり気にしない感じで、チャット出来る雰囲気であったが、私はMOGが気に入らなかった。
どうも同じ男として女々しいところがあるし、すぐにマウントをとりたがる性分でね・・・。
何か嫌なことを言われたりすると、痛烈に皮肉をいって、私は結構、食ってかかっていた記憶がある。
喧嘩にこそならなかったが、お互いにチクチクと言い合うような間柄だったかもしれない。
そんな中、私はジュンちゃんと非常に仲良くなる。
当時、ジュンちゃんは現実社会では彼氏と同棲している女性プレイヤー。
この頃は私も恋人と同棲しているという同じ境遇で、そういう点でもウマがあったと思う。
確かジュンちゃんは実年齢は、私の二つか三つ歳下だったとおもう。
ログイン時間は私の方が長かった為に、割とすぐにジュンちゃんのレベルを超えてしまうのだが、私はジュンちゃんのコツコツと地道にキャラ育てをしている姿勢が好きだった。
あまり自分を見せずに努力している人は男女問わずに素敵よね。
特に私はこういうタイプの人間には心を惹かれる気持ちになったりするのだ。
それはゲームだろうが現実だろうが変わらない。
ある時、Mixiのクランコミュニティでジュンちゃんがゲーム内でのレアドロップをGETという報告を出した。
それはエルフというクラスにとっては、当時はすごいアイテムだったのだ。
(ちなみにアースバインドって精霊魔法。)
私は努力家のジュンちゃんが、超お宝を出したことを自分のことの様に喜んだ。
これが切欠でジュンちゃんと凄く仲良くなっていくのだ。
クランチャット以外で、あまり他のクラン員に見せれないチャットなどは、ウィスパーといって1VS1のチャットをジュンちゃんと行うことが多くなっていった。
ゲームの話、クラン員の愚痴や昔話などを言い合ったり、有名プレイヤーのことや、たまにリアルのこと。
当然、俺はMOGがムカつくということを、ジュンちゃんに言ったりしてた(笑)
ちなみにジュンちゃんも俺ほどではないにしろ、MOGの無神経なところにキレたということを言っていたこともあった。
そういうところでも、やたらと話が合ったこともあった(笑)
だいぶ色んな話をしたわけだが、ジュンちゃんとはリネージュ以外、Mixi上でもメールのやり取りをするくらいになっていてね。
しかし、断じてお互いに恋心を抱き合うという仲では無かった。
ちなみに現実社会のジュンちゃんは、普通に可愛くって垢ぬけた女性でした(^_^)
その集団を抜けてからのこと・・・
段々、私も強くなっていったことで、やりたいことが変わってきた。
私がやりたかったことは、穏健派の所属していたクランとは違っていた為に、私はクランを抜ける選択をする。
クランを抜けたことで、ジュンちゃんやKANAさんからは残念がられたし、MOGからはMOGなりのアクションを頂いた。
でも、私には迷いが無かったわけで、こういう時の私は振り返らない。
しかし、私が違うクラン員になっても、ジュンちゃんは変わらず友達でいてくれたし、割と頻繁にウィスパーチャットをよくとっていた。
ある時、ちょっと現実世界でやるコトが多くなり、ログイン出来ない日が続いてね。
久しぶりにログインしてみると、ゲーム上での手紙が届いていた。
ジュンちゃんからだった。
あれだけ毎日、ログインしていた私がINしていないことへの心配が書かれていた。
それとは別に彼女が今、何かマイナスなことを抱えていると感じる文言が書かれていた。
何かを感じた私はログインしていたジュンちゃんにウィスパーを飛ばす。
ジュンちゃん『堪え切れない・・・』
Q(けーご)『俺にだったら言えるだろう?』
ジュンちゃんはゲーム内の狩りを切り上げて、グルーディオの市場(と、いう場所があるのね^^;)に私を呼ぶ。
二人でだだっ広い市場に並びながら、チャットを交わす。
どうやら私がクランを抜けてから、起きたある事件がジュンちゃんを非常に悲しませたようだった。
前述したKANAさんは、MOGのことを『センセー』と呼び、ゲーム内で慕っていた。
二人っきりでゲーム内で狩りをしたりして、すごく打ち解けていた仲であったようだ。
そんな時間を過ごしていくうちに、KANAさんはMOGに本気で恋をしてしまっていたようだった。
(ちなみに私は知らないが、ジュンちゃん曰く、KANAさん、かなり美人さんだそうだ)
KANAさんはリアル何処に住んでいたのかは知らないが、MOGは仙台の男。
何かの拍子で・・・確かジュンちゃんがKANAさんの抱く気持ちを、MOGに明かしちゃったようだ。
しかし、MOGは『へ?何で??』みたいな感じだったらしい。
MOGは実は精神を病んでいた男。
有名大学を出ており、予備校教師?家庭教師?(どっちだったか忘れたw)の職をしていたが、職場でのストレスなどで精神を病んでしまい睡眠障害に悩まされていたという。
そんな状態だから、就活もうまくいかずに、無職の状態でリネージュをずっとしていたのだった。
MOGがクラン員や目立っているプレイヤーに対して皮肉を言ったりなんだりして、嫌な雰囲気を出していたのも、実はこうした背景で養われていった劣等感があったからのこと・・・と私は見ていた。
MOGからしてみれば、ゲームはゲーム、リアルはリアルという感じだったようだ。
だが、KANAさんの気持ちを知ったMOGはそこから悩みだす。
当然、MOGは自分のリアルの状況が、無職で世間一般的には褒められた状態ではない自分のことがあるから、プライドの高さ故、KANAさんの気持ちを受け取ることは出来なかったようだ。
KANAさんはMOGから返事を受け取り、結局、以前の様に楽しく二人でゲームを楽しむということも無くなってしまったようだった。
その後、ジュンちゃんはKANAさんから手紙を貰っていた。
リネージュ内の手紙は『便箋』と呼ばれており、アイテムであるから、トレード等で受け渡しが可能。
KANAさんからの便箋をジュンちゃんは私に見せてくれた。
柔らかい文面でありながら、ゲームでしか会ったことないMOGに本気で恋心を抱いてしまった自分がバカみたいと、自らを責めることが書いてある。
でも、どこか明るく勤めようとしている内容と、ジュンちゃんに対する暖かい気持ちも書かれていたと記憶している。
この手紙の内容がおそらくはジュンちゃんを更に凹ませることになったのだろう。
ゲームとは言えど、女性同士の友情が確実にジュンちゃんとKANAさんの間にあったのだ。
私はゲーム内で隣にいるジュンちゃんの話をずっとじっくりと聞いていた。
結構、長い時間、ずっと聞いていたと思う。
ジュンちゃんとKANAさんの間にも確かに友情があった。
加えて、こういう話を誰もいない場所で男である俺に打ち明けてくれるジュンちゃんは、私をゲーム内では確実に親友と見てくれていたのだと感じて止まなかった。
Q(けーご)『元気出せよ。』
その位のことしか言ってあげられなかった私。
だけど、堪え切れない気持ちをじっくりと聞いてあげれただけでも、幾分、ジュンちゃんはスッキリしてくれたという実感もあった。
KANAさんが想うMOGやジュンちゃんへの想い。
MOGがKANAさんの真の気持ちを知ってしまった時の想い。
ジュンちゃんがKANAさんを不憫に思った想い。
友達を傷つけてしまったことを悲しむジュンちゃんの純粋な女心。
話自体は何か中学生レベルの恋愛話、しかも言ってしまえばヴァーチャルでのこと。
でも、何か妙に甘酸っぱいというか、すごく懐かしさを漂わせる話なんですよ。
おわりに
余談ではあるが、ジュンちゃんはその後、高レベルプレイヤーとなった後、現実世界において転職した。
だいぶ仕事が楽しくなったようであり、リネージュは半引退状態となったところで、もう連絡をとりあわなくなった。
今ではどうしているのかも分からない。
多分、北海道で同棲していた彼氏と結婚して子供でもいるのだろうなぁ・・・と思っている。
私もMixiを退会したりして、その後、引退復帰を繰り返し、2012年3月にリネージュから去った。
KANAさんは、MOGとの一件の後からは、どうなっているのかが全く分からない。
と、いうかジュンちゃんから聞いていたかも知れないが、私が忘れているだけかも?
ちなみにMOGは2011年3月11日の東日本大震災で亡くなったそうだ。
ゲーム内で気に入らないヤツではあったけど、死んでほしいとは思わなかった。
ジュンちゃんから、その話を聞いた時は、なんか変な気持ちになったものだ。
あくまで、これはゲーム内+ちょっと現実世界が関わったショートストーリー。
何だろうね・・・ゲームであっても人の意志が関わる以上は、本気で嬉しいこともあるし、本気で凹むこともある。
それって単純な相手を想う気持ちがそうさせることも多い。
なので、今回は『キミ想い』って言葉が合うのかな?って思って、書いてみました。
今でもたま~~~に思い出してしまう友達想いの人の小さな話です。
最後まで読んでくれてありがとう。
見つけてくれて感謝ですよ。
では、まったね~(´Д°)ノ