神ノ迅雷と祈りを捧げる少女

2019年9月21日の改作分。

 

この間、書いたものなので特に直そうと思うトコロはありませんが。


——-ここから——-

 

こんなに幸せでいいのだろうか・・・?と、思う時間を送っている私ですが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

 

相変わらず懐古厨の私ですが、今日は私の心に生き続けている人の話。

 

実際に後述する話は、約90年前におきたことであるようで、あくまである人の記憶を元に構成されている。

 

科学的とはいえないし、その根拠を示せと言われても示すことは出来ない。

 

ただ、そこには確かにその人が起こした奇跡があったと言わざる得ない・・・そんなお話です。

 

その少女は・・・

少女の名前はキヨちゃん。

 

大正7年に秋田県で生まれた彼女の家は、非常にボンビー。

 

キヨちゃんの父親は働きもせずに酒を飲んでばかりの穀潰し。

 

朝起きては炉端で腹をあぶっているのが習慣となっているみっともない男。

 

母親は非常に豪胆な性格であった為に、父親がキヨちゃんや母親に暴力を奮ったりすることは無かったようだ。

 

そんな父親に愛想をつかしていた母親。

 

ちなみにキヨちゃんは非常に可愛かったという。

 

しかし、あまり悪い虫がつかなかったのは、おそらくは母親のガードがあったからである。

 

って話が逸れた(ぶw

 

キヨちゃんが10歳くらいになったある時、あることが起きた。

 

土地は秋田・能代。

 

当時は田舎も田舎であり、隣人同士協力し合うところはあったものの、他人の悪いうわさ話などが大好き。

 

キヨちゃんは近所の他人から実は父親が本当の父親ではないことを知らされたという。

 

純情な乙女の心に突然の衝撃が走ったのは言うまでもない。

 

しかも、それは父親や母親からではなく、他人から聞かされるから尚更、辛かったそうだ。

 

父親の目が潰れたのは、そんな時。

 

炉端で酒を飲みながら腹をあぶってはグダついていた父親の目が突然、光を失ってしまったという。

 

働きもせずに腹をあぶってばかりの言わばロクデナシの父親は本当の父親ではない。

 

だが、キヨちゃんはその目にもう一度、光を戻せないものかと思ったのだ。

 

医者に見せる金なんかあるわけでもないのだが、何とか方法はないものかと思った挙句に辿り着いた方法は・・・

 

祈りの力だった。

 

祈る為に歩く少女

キヨちゃんの住んでいる土地から山を一つ越えた先には、ある神社があったという。

 

現在の様に便利な移動手段があるわけでもない為に、キヨちゃんは歩いて山を越えて神社へと向かった。

 

それも毎日・・・毎日・・・。

 

雨の日も、風の日も、ずっとずっと。

 

季節が何度も変わった頃には、キヨちゃんは近所でも評判の娘っ子になっていたようだ。

 

あんな穀潰しの為に・・・

本当の親父ではないのに・・・

あんなに小さい身体で・・・

毎日、あんな遠い神社に通っているのか・・・

 

もちろん、キヨちゃんが拝み先の神社の宮司さんとも親しくなるのは言うまでもない。

 

ある日、宮司さんがキヨちゃんのひたむきさに感銘を受けたのかは分からないが、一つの掛け軸を手渡した。

 

その掛け軸に書かれていたものは、とぐろを巻いた蛇の絵だった。

 

山を越えて毎日、小さい身体のキヨちゃんが神社に来るのを不憫に思ったのだろう。

 

今度は神社に祈りを捧げにくるのではなく、家に掛け軸を祀って拝むようにとのことであった。

 

後にキヨちゃんは、私にこういった。

 

あの時、神様を授かった。

 

と。

 

神ノ迅雷

キヨちゃんの負担は大幅に軽減されたのだろう。

 

毎日、毎日、山を越える必要もなく、掛け軸に手を合わせるようになったからだ。

 

目の潰れた父親は、そんなキヨちゃんの姿を見ることは叶わない。

 

それでもキヨちゃんは毎日、祈り続けたという。

 

父親の目が潰れてから、何時間・・・何日が経ったのかは、定かではない。

 

母親はキヨちゃんに付き合うことはなかったという。

 

働きもせずに目も潰れて廃人と化している父親に飯を食わせつつ、自分は毎日、働きに出ることで精一杯だった。

 

もしかしたら、この頃にはキヨちゃんは掛け軸に手を合わせても、父親の目が元通りになるとは思っていなかったのかも知れない。

 

ただ、自分が決めたことへ納得いくまでやり続けるという執念しか残っていなかったのかも知れない。

 

しかし・・・まさかのことが起きる。

 

ある日の朝、父親の目は見えるようになっていた。

 

どうやらキヨちゃんのひたむきな祈りの力が、ようやく発動し奇跡を起こしたようである。

 

神という存在を信じて疑わないようになっていたキヨちゃんは、竜神様が力を貸してくれた。と声を大にしていたようだ。

 

豪胆な母親は奇跡が起きたと喜んだわけでもなく、そんな誰もが驚くような出来事にも冷静であったようだ。

 

これを機にキヨちゃんとキヨちゃんの家族はハッピーな道のりを歩んでいく・・・

 

と、いうわけではない。

 

そんなお涙頂戴のストーリーになっていくわけはなく、結局、目の見えるようになった親父は、以前と生活は変わることは無かった。

 

それどころか命を落とすことになった。(とりあえず病気だったらしい。)

 

結局、キヨちゃんは母親と供にその後は二人三脚で男性に混じりながら働きに出ることになるというオチ。

 

なのでキヨちゃんは小学校しか出ていない。

 

やはり、何があってもダメ男はダメだったってことの証明をしてしまったようなのだが、問題はそこではない。

 

その少女の正体

私は神という存在は全く信じていない。

 

幼い頃に育った家系は、信仰を重んじていたが、成人になる頃にはそんなものは捨てている。

 

その後はむしろアンチに回るようになっていく。
(その理由は色々あるのだが、割愛。)

 

だが、私が信じているものはキヨちゃんの存在そのものが私にとってみれば神と同義語なのだ。

 

なので、アンチに回ってからも、キヨちゃんだけはその対象としなかったし、むしろ信じたかった。

 

もちろんキヨちゃんの話そのものには、突っこめるところは沢山ある。

 

穀潰しのオヤジは身体を動かすこともせずに、安酒を飲んでは炉端で腹をあぶるという自堕落な生活をしている。

 

こんなことをしていては、身体のどこかにガタがくるのは当たり前。

 

目が潰れたというのは、そんな影響によるもの。

 

キヨちゃんがそのひたむきさから掛け軸を託されて、手を合わせるようになるのだが、どれだけの時間が経過しているのだろう。

 

目の見えなくなったオヤジは酒を買いに行くことも出来ずに、ただ、家で気の遠くなる時間を何もしていない。

 

酒すら飲んでいない。

 

酒と火であぶられてボロボロになった身体の状態をクリーンにしていく。

 

それによっての視力の回復と私は思っているのだが。

 

しかし、こうも思う。

 

キヨちゃんの怪物的な純粋な想いが切欠になり、そうした状態を呼び起こした可能性は大いにある。

 

説明不可能、不思議な事象というのは、科学が発達した現在でさえ確実にあるからだ。

 

だが、キヨちゃんはあくまで神様が助けてくれたといって憚らなかった。

 

けーごが子供の頃にこの話をしてくれたキヨちゃんというのは、私の祖母です。

 

ちなみに秋田のある神社から託された例の掛け軸は、祖母が亡くなった時に一緒に火葬しました。

 

我(わ)が死んだら、竜神様(掛け軸ね)と小銭を入れて燃やせ。

 

常に元気なうちから祖母は私たちにこう強く言っていたので。

 

この話を幼い頃から聞かされていた私や私の兄弟。

 

後に人気テレビ番組のなんでも鑑定団に

 

竜神様を鑑定に出したら、どうなるだろう?(`▽´;)

 

と、冗談で祖母に言うと、マジでガチギレされたのは良い思い出です(笑)

 

もっと詳しく具体的に聞いていた筈なんですけど、今、思い出せるのはこのくらい。

 

もう一度言うが、私は神という概念は信じていないし、宗教とは単なる特定の人間が権力を持つために存在するものであると思っている。

 

私にしたり顔で神は〇✖▽◇$~~と言って、布教活動をしてくる人間がいるのならば、私は即座に確定として蔑む対象としている。

 

現在は神というのは、単純に凄い人間につけられる呼び名であるし、それには同意。

 

そんな意味では私の神は祖母のみであり、私の中で神レベルの人間が今後も現れることは100%ありえない。

 

そして、この人の話だからこそ、私は『神ノ迅雷と祈りを捧げる少女』の話を信じる。

私が私でいられる魂の基礎の部分は、祖母から教えられたことである。

 

彼女にとって、私は最後の弟子。

 

祖母であるキヨちゃんは学は無かったが、可愛かったし、厳しさもあったけど、とにかく優しくって、必ず最後は私の味方をしてくれた。

 

だから、今でも私の心に生き続けている。

 

——-ここまで——-

 

先日、知ったSS級のBGMを聴いていると、ふと思い出すのが祖母のこと。

 

実は祖母が亡くなる時に何故かよく聴いていた曲はLUNASEAのDEJAVUだったりするんですけどね。

 

今、ばあちゃんの事を思い出すのは、何か懐かしくもあり、心地よくもあり、切ない気がしているからなのかね?

 

まあ、いいや。

 

たまにそんな時があってもいいだろう。

 

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